深田氏庭園
深田氏庭園(鳥取県・米子市)は鎌倉時代に造られた山陰最古の庭で、国指定名勝ともなっています。広大な屋敷の奥に造られた池泉式庭園で、この庭自体はさほど大きくないのですが、石組に迫力があり、他とは違った印象を与える庭です。
山陰では庭石に花崗岩や安山岩を用いることが多いのですが、この庭では複雑な表情をもった凝灰岩が多用されています。特に印象的な石は正面にある鶴首石と羽石、次いで右奥の三尊石でしょうか。三尊石の近くまで許可を得て近づかせてもらいました。遠目には相当巨大にみえる三尊石ですが実際は背丈ほどの高さもなくて驚きました。職業柄、平均以上の寸法感覚は持ち合わせていると自負していましたが、あまりあてになりません。石組の妙に感心させられます。
現在はかなり鬱蒼とした印象もありますが、かつては大山(だいせん、伯耆富士とも呼ばれる、標高1729m)が借景となっていたそうですから、後背部に視線が抜けてもっと明るい印象だったのかもしれません。往時の建物はすでに無くなっていますが沓脱石や軒下の縁石などが残されており、庭と座敷の関係は把握できます。現在は代わりに建てられた東屋から拝見するようになっていました。
少し気になったのは、池の手前に置かれた臼石や飛石を斜めに横切る短冊石です。鎌倉時代には似つかわしくない造作ですから、これは後世の改変によるものでしょうか?
写真は、庭園全景、三尊石、亀石・鶴石、羽石のアップです。



