康国寺庭園
康国寺(島根県・出雲市)は臨済宗妙心寺派の古刹、弧峰覚明禅師によって南北朝時代(1322年)に開山、江戸中期(1730年代)拙庵禅師の時に寺域を拡大、庭園は1830年から3年半の歳月をかけて整備されました。出雲市といっても雲州平田の国富町(くにどみちょう)に建ち、旅伏山(たぶしさん)と錦鏡池を借景とした枯山水庭園です。
松平不昧のお抱え庭師・沢玄丹の作庭と伝えられ玄丹流庭園あるいは出雲流庭園として紹介されることが多いのですが、200年前に造られた和風庭園というイメージからは遠いモダンデザインの庭です。出雲の庭に共通する作庭手法も随所に見いだせるのですが、飛石・延段の黒と敷砂の白に芝生の緑を加えた平面構成や庭と周囲との境界を際立たせない工夫など、他の出雲流とは明らかに異なる美意識が感じられます。
書院左手奥にある茶室(博淵亭)への園路が庭を斜めに横切っています。その園路デザインを近景とすると六角灯籠と松が中景、庭の最深部で裏山との境目に置かれた灯籠が遠景となります。中景の灯籠は古銅型灯籠(古唐型、兜型とも)といい出雲にしか無いデザインです。一度、無理を言って遠景の灯籠に明かりを灯させて頂き、それを書院から眺めたことがあります。薄暮のなかに借景は沈み、日中とは全く違う顔をした禅の庭が出現したことを覚えています。
写真は、園路、古銅型灯籠、明かりを灯した灯籠、全景です。






