大麻山神社庭園 (尊勝寺書院庭園)

庭園紹介,浜田

大麻山神社(おおあさやまじんじゃ・島根県浜田市)の社務所奥にある庭園です。もとは尊勝寺の書院庭園として造られた庭ですが、寺は廃寺となり庭だけが残されたものです。神社本殿は社務所から石段を相当上ったところにあるため大麻山神社庭園という呼称は本来おかしいのですが尊勝寺庭園とは呼ばないようです。神社が建っている山は大麻山(たいまさん)と呼ばれているため、一般には“たいまさんじんじゃ”と呼ばれることが多いと思います。

尊勝寺は947年に建立された真言宗の寺で神仏習合の神宮寺だったようです。作庭は江戸初期の延宝年間(1678~81)とされ、往時の建物は無くなりましたが庭園はよく手入れされています。巨石の石組が見どころとなる枯山水庭園で、重森完途が高く評価した庭と言われています。

石は全体に丸みを帯びた石英閃緑岩で、全て“石ごうろ”からのもの。“石ごうろ”とは岩塊流や岩海のことで大麻山周辺に数カ所存在します。

庭園の平庭部分は白い砂が敷かれ、中央付近には巨大な伏石があります。おそらくこれは往時の沓脱石と思われ、現在は平庭部分が拡がった形になっていると思いますが、あまり違和感を覚えることも無く絶妙にバランスをとっています。北側の築山には三尊石と枯滝石組があり、サツキの刈込みとの見事に調和しています。遠州好みの庭と呼ばれるのも納得、庭木の剪定は宮司さんによるものだそうです。築山の無い東側は視線が抜けるようにしてあり、庭の端に立つと日本海や市街地が遠望できます。そこまで知名度が高くないのが不思議に思える庭です。

写真は、庭園全景、石組と刈込、東側の借景、神苑です。

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