古代出雲 オロチ神話その1

スサノオ,出雲神話

古代出雲を舞台とした “スサノヲのオロチ退治”はとてもポピュラーな神話ですが、『記紀』と同時代に編纂された『出雲国風土記』には記載がなく、神話の構造がぺルセウス・アンドロメダ型と同じことから古事記創作説もあるようです。しかし現在、地元には神話の舞台・伝説地とされている場所がいくつもあります。伝説・伝承そのものは後世の創作・改変によるものがあるのでしょうが、その場所が選ばれた理由に興味があったからです。

オロチ退治の舞台とされる場所は島根県雲南市(旧木次町)に集中しています。それ以外の場所を含めても“斐伊川右岸に集中している”と言えるでしょう。

古代神話のスーパーヒーローでもあるスサノヲですが、『出雲国風土記』では意外なほど扱いが小さく、地名由来・伝承に登場する回数を奥出雲3郡(飯石郡・仁多郡・大原郡)で調べてみると、オホナムチ由来11ヶ所に対してスサノヲ由来は3ヶ所しかありません。出雲国全体で見ても安来郷の1ヶ所が加わるだけす。(御子神に関する記述は除きます)

次に、奥出雲3郡の神社について調べてみました。『出雲国風土記』に神祇官ありと記載されている神社の主祭神を『島根縣神社概説(昭和17年)』で調べてみると、確認できた20社中、主祭神スサノヲが8社、主祭神オホナムチが3社、郷土神5社、そのほか4社という結果になりました。

これを地図上にプロットすると、飯石郡では須佐・熊谷周辺に分布し、これは地名由来とも一致する結果ですが、仁多郡では主祭神・地名由来ともにオオナムチが圧倒的に多くスサノヲの姿はほとんど見られません。そして大原郡では赤川以北がオオナムチ、赤川以南がスサノヲとはっきり分布が別れています。つまり、須佐神社を除くとスサノヲを主祭神とする神社は全て斐伊川中流と赤川に囲まれたエリアに存在していてオロチ伝説地の分布と完全に重なりあうという結果になったのです。

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