瓦屋根について 2

瓦の三大産地といえば三河(三州瓦)、淡路(淡路瓦)、石見(石州瓦)となっていますが、元々は地域ごとに様々な瓦が造られていました。その名残りもあるのでしょうか、JIS規格で定められている瓦の寸法もひと通りではありません。桟瓦のうち和瓦と呼ばれるものだけでも、49、53A,53B、56、60、64と区分されています。この数字は3.3㎡(およそ1坪)を葺くのに必要な瓦のおおよその枚数で、石州瓦の場合、働き幅275mm、働き長225mmですから、3.3㎡÷(0.275×0.225)≒53.333→約53枚です。寸法が異なる三州瓦も3.3㎡÷(0.265×0.235)≒52.99→約53枚となり、三州瓦が53A、石州瓦が53Bとなっています。数字が小さいほど瓦1枚のサイズは大きく、49形と64形では3割ほど違います。
製造技術の発達もあり瓦は徐々に大型化していて、京都・奈良など関西に多い64形は60形に、北陸・山陰に多い56形は53形に変わってきています。64形・60形は淡路に代表されるいぶし瓦、56形・53形は三河・石見でつくられる釉薬瓦に多いサイズです。三河・淡路は比較的気候が温暖ですが日本海側となる石見は冬の寒さが厳しく、そこで造られた瓦は凍害による割れが少なく北陸方面に販路を拡げられたそうです。とはいっても限界はあって、いまでも北海道や青森では瓦葺きの建物は少数派ではないでしょうか。
瓦葺の建物を設計する場合、以前は瓦割りをして設計図にも割り寸法を描きこんでいました。最近はどうでしょうか?そこまでしているケースは少ないかもしれませんが、瓦を割り付けないと軒の出や垂木のサイズが(厳密には)決まりませんが、そこは現場任せなのでしょうか?それで構わないと考える仕事があっても仕方ありませんが、設計者としては少しだけ不安な気もします。瓦の割り付けをできるけどやらない(チェックはするけど厳密な寸法までは図面に記入しない)ことが主流になると、やったことがないからできない人が増えていくだけでしょう。その違いは自覚しておくべきでしょう。