庭とニワ

研究

庭園という言葉に使われている“庭”と“園”の元々の意味は、現在私たちが庭園という言葉からイメージする姿とは少しだけ異なるようです。庭(ニワ)は“广”と“延”の組合せですが、“广”は建物を、“延”はノベルと訓むように平らにすること、転じて平らな場所を表していますから、“庭”という漢字は建物の近くにある平らな場所という意味になります。

園(ソノ)は果樹や草木(薬草など有用植物があったと思います)を植えて囲いを設けている場所で、農園や果樹園に近いイメージでしょうか。苑(ソノ)も囲いを設けた緑地空間ですが、この字が使われるのは動物も放されている広大なエリアのようです。

漢字が入ってくるよりも前に“ニワ”という言葉はあり、それは共同作業、集会・政(マツリゴト)、神降しなどを行うために平坦に整えられた場所だったと思います。古代集落の広場、沖縄の御嶽(ウタキ)、首里城中庭、皇居宮殿東庭、時代劇で見られるお白州、神社境内の玉砂利等々、すべて“ニワ”であり、漢字の“庭”あるいは“廷(朝廷・法廷)”を当てたのだと思います。

今でも農家の土間は“ニワ”(出雲地方では臼庭)と呼ばれていますし、神事に関わる斎庭(ユニワ)・審神者(サニワ)といった言葉も残されています。

ちなみに皇居宮殿東庭とはお正月の一般参賀などで使われている皇居前広場の正式名称で、今日的感覚の庭とは全く様相が異なります。皇居宮殿には南庭もあり、これは今日的感覚の庭です。写真は沖縄の斎場御嶽です。

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