住宅のエネルギー消費量

住宅,省エネ

家庭が1年間に消費するエネルギーの国際比較をみると、日本はアメリカの1/2、ヨーロッパの2/3程度です。日本の数値が低いのは暖房エネルギーが圧倒的に少ないため。全室・長時間暖房が主流の欧米に比べ局所・間歇暖房が主流の日本は消費エネルギーが20~25%しかありません。一方、日本の方が多いのは照明・家電で消費エネルギーはヨーロッパの1.5倍です。(アメリカは照明・家電という区分データがないので不明)

およそ10年前の数値ですが、日本では1世帯が1年間に消費するエネルギーは43GJ、用途別にみると暖房10GJ(23%)、給湯14GJ(33%)、調理3GJ(7%)、照明・家電(15GJ(35%)、冷房1GJ(2%)となっています。これは全国平均なので構成比は地域ごとに変化し、北海道・東北は暖房が全体の40~50%を占め、四国・九州は冷房が4%程度にまで上昇します。この結果は思っていた感覚に近かったでしょうか?冷房の比率はもっと多いように感じていなかったでしょうか。

エネルギー消費の56%を占める暖房と給湯は外気温が高くなる春から夏にかけて消費量が減ってきますから毎月の電気料金・ガス料金も下がっていきます。しかし冷房を始めると翌月から電気料金が上がるため冷房で消費するエネルギーも実際以上に多く感じているのかもしれません。以前クールビズやエアコンの設定温度などをマスコミが盛んに取り上げていたことがありますが、あれは住宅に比べて冷房や照明のエネルギー消費が格段に多い事業所を対象にした話で、夏の電力需要のピークカットが目的のひとつでした。節約・節電意識も大切ですが熱中症リスクも高まりますからエアコンの利用に神経質になる必要はないと思います。

環境やエネルギー関係の話題では総論についての異議はあまりないのですが、実態との乖離が著しい理想論や時には暴論も少なくないような印象です。建築設計を長年続けていると住宅設備の進化にも多少は敏感になります。進化の大半は肯定的に受け入れているのですが、疑問に思うことも多少あります。暫くはそんなことを書き綴ってみます。

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