木目と杢目

製材に現れる年輪などの模様を一般には木目といいますが、学問の世界では木理(もくり)というのだそうです。木目には木の向きと平行になっている柾目(まさめ)と、それ以外で山型・筍型になった板目(いため)があり、俗に、木偏に正しいと書いて柾、木偏に反ると書いて板と言われるように、柾目には特別な評価が与えられていました。
柾目の材は原木の半径以下のサイズになりますが、板目の材は直径に近いサイズが得られるために歩留まりが良いこともありますが、それ以上に反りやくるいが少なく木目が美しいことから障子などの建具や和室の造作材として重用されてきました。座敷の中で最も高価な材料が長押だったこともありました。最近の自然志向は住宅にもおよんでいて、内外装に天然木を使う人が増えてきています。住宅全体が洋風化していることもあって、一昔前のような過度な柾目信仰はほとんどなくなり板目の材が多用されているようで、それが本来の姿だと思います。
木目には杢・杢目という字が充てられることもあります。この字は、樹種や原木の個体によって現れる木目のなかで、特に装飾性に富み、その美的価値が認められた木目に対して使われもので、笹杢、如鱗杢、玉杢、鶉杢、縮杢、葡萄杢、泡杢などさまざまなネーミングが存在します。カエデ類によく現れる鳥眼杢は、おそらくバーズアイメープルという呼び方のほうが一般的かもしれません。