雪舟庭園1 萬福寺庭園

庭園紹介,益田,雪舟

室町時代に活躍した画僧雪舟は作庭も手掛けていて、京都東福寺以外は大分・福岡・山口・島根・広島に集中しています。戦国大名大内氏にゆかりのある場所ということもできるでしょう。以前、島根県と山口県にある雪舟庭園を2日間かけていくつか見て回ったことがありますので、そのときの印象を率直に報告したいと思います。島根県にある雪舟庭園は医光寺、萬福寺、小川氏庭園の3カ所ですが、小川氏庭園は別の機会に見学していたのでこのときは医光寺と萬福寺を訪れました。山口県では常徳寺、常栄寺、龍蔵寺を見ています。

雪舟庭園とは雪舟が作庭したと伝えられている庭のことなのですが、雪舟と同時代の記録が残されていて蓋然性が高い庭、江戸時代の書物に記載があるが検証できていない庭、火災などで記録が失われ伝承しか残されていない庭など、実際は様々な庭があります。石組の雰囲気などから雪舟が活躍した時代に造られた庭が大半でしょうが、お茶の世界で○○好みとするネーミングセンスに近いものがあります。

前述した5カ所の庭の中で最も庭の雰囲気が似ていると感じたのは、島根・萬福寺と山口・常栄寺の2カ所です。庭園の規模は全く違いますが造形センス・美意識に通底するものを感じました。今回はその萬福寺庭園を紹介したいと思います。清瀧山萬福寺(島根県益田市)はもともと平安時代に創建された天台宗の寺院だったようですが、1313年に時宗の道場として再興されたようです。庭園は雪舟が益田に滞在していた時(1479~)に作庭したと伝えられ、昭和3年に国の史跡及び名勝に指定されています。

庭は背後の樹林によって外界から隔絶され、芝張りで明るく穏やかな傾斜の築山頂部には立石(須弥山)があります。その須弥山から渦巻き状に配置された石組、須弥山と礼拝石を結ぶ中心軸、そして庭右手にある枯滝石組や蓬莱石組とのバランスが絶妙で心地よい庭です。

庭園で有名な萬福寺ですが、室町初期に建立された本堂(国指定重要文化財)は建築様式が寝殿造から書院造へと移行する過渡期の様子が解るという意味でも貴重な建物です。

写真は、須弥山~礼拝石、須弥山、枯滝石組、心字池です

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