雪舟庭園2 常栄寺庭園
香山常栄寺(山口県山口市)は臨済宗東福寺派の寺院で毛利氏と縁が深いようですが、もともとは大内氏が建てた妙喜寺があった場所です。庭園は当時山口に滞在していた雪舟に大内政弘が依頼して造らせたと伝えられています。そのことを裏付ける同時代の文献はないようですが江戸中期頃には雪舟作となっているようです。雪舟庭園は本堂の北側、三方が林で囲まれた谷地形にあります。本堂に面した手前側は枯山水、その奥は心字池、滝組がある池泉回遊式で42,497㎡(史跡・名勝指定面積)の広さです。ちなみに本堂南側は重森三玲による南冥庭となっています。
立石の手法から室町中期の庭であることは間違いないようですし、雪舟の絵画に描かれている石組との類似を指摘される人もいますが、私も初めて見た時の率直な感想が“萬福寺庭園に雰囲気が似ている”というものでした。雪舟作庭の真偽はわかりませんが、同時代の庭であり共通する美意識で造られた庭だと実感できました。
枯山水の東側と池の西側には、かつて書院と楼閣が建っていたようで、少しだけ空間が間延びした印象があります。ちなみに楼閣の閣は重層の建物に使います。似た言葉で塔がありますが塔はもともと仏塔のことですし重層ではありません(五重塔は平屋建)。
池泉回遊式と書きましたが、現在、池の周りを歩きまわることはできません。その代わりに庭を取り囲むように山畔に歩道がありますから、池中の亀石・舟石・鶴石はもとより、滝石組の上から庭を眺めることができます。池の北西から西側にかけてサツキの刈込があり、後世のもののようで刈込自体は美しいのですが室町中期の庭には似つかわしくないように思えました。
写真は枯山水、亀石、山畔(北側)からの眺め、滝石組上部からの眺めです






