真行草について

“真行草”は一般に、① 漢字の書体の、真書(楷書)・行書・草書のこと。② 日本人の美意識の表現として用いられる3段階の様式表現であり、最も格式高い「真」、その対極に位置する「草」、その中間が「行」と説明されます。美意識の表現?中間が「行」?となんだかすっきりしないので自分なりに調べてみたことがあります。
ある研究者のレポートによると、“真行草”は書において形態論として形成され、やがてその形態を習得するために楷梯論として発展し、さらに時代が経つと様々な芸能において適場論(心意)の問題を付与し深化した(大意)とあり、少し輪郭がみえてきました。
書の形態論とは楷書・行書・草書のこと、階梯論とは初級・中級・上級の言い換えですから、様々な芸能ごとに付与された心意とやらがもやもやの正体であり、それぞれの芸ごとにおいて多彩な定義づけが行われているようです。
建築や庭園の場合、“真行草”はデザインヴァリエーションとして扱われるようです。床の間などに顕著ですが空間の格付けを行うデザイン手法であり、座敷と庭園の格を揃えるという感覚はあるのでしょうが、それを美意識というのは大仰すぎる気がします。
建築や庭園における“真行草”についての私なりの理解は、服装のTPOになぞらえると礼服=「真」、ネクタイorジャケット=「行」、カジュアル=「草」というものです。「行」は「真」と「草」の中間ではなく「真」よりはくだけた公的空間であり、「草」=私的空間というイメージですね。(茶室に関しては茶道における“真行草”とやらがありそうなので保留中)